野生のイチゴは石器時代からヨーロッパ、アジア一帯で食べられていましたが、現在のようなイチゴが栽培されはじめたのは２００年ほど前のことです。
１９４２年にアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスが、南アメリカからヨーロッパに持ち込んだ品種と、北アメリカから持ち込んだ品種を自然交雑したものといわれています。
そして１７世紀に、品種改良されて現在の苺が作り出されました。
日本には江戸時代の終わり頃に伝わりましたが、その時には定着せず、その後明治３２年頃にフランスの品種が導入された事で本格的な栽培が始まりました。
古来の野イチゴの葉は、根、果実は、薬草として用いられました。
根は、下痢に、茎は傷に効く家庭常備薬でした。
果実は冷性とされ、ジョン・ジェラード（1545年 - 1612年2月イギリスのハーバリスト）によると、「渇きをいやし、胃の熱と肝臓の炎症が去る」動きをすると説いています。しかし冬や、胃を冷やした時に食べると、粘液を増し、消化器の不調を引き起こすと考えられていました。
ジョン・パーキソン（1567年-1650年イギリスのハーバリスト）は、「……苺から蒸留された水は、精霊の乱れに起因する情欲に良い」と説いています。
|
